30歳からのニューヨークライフ。

このブログは、30代にしてニューヨークに来てしまったゲイが思ったことを不真面目かつ真面目にお届けしようと試みるブログです。

hagexさんの事件とアナポリスの新聞社銃撃事件の共通点。

こんばんは。

 

先日、メリーランドのアナポリスでまた新しい銃撃事件が起きました。犯人である Jarrod Ramos 新聞社 Capital Gazette を襲撃し、記者5人の命が奪われました。

 

abcnews.go.com

 

日本ではhagexさんという方が刺殺された事件が報道されていて、報道で僕自身初めてhagexさんを知りましたし、その事件の時代性に驚いていました。

 

アメリカで起きた事件と、日本で起きた事件。この二つの事件には共通点があると思っています。

 

それは、犯人が「会ったことのない人を恨んで殺した」ということです。

 

日本の事件はみなさんよく知っていることと思いますし、僕自身、日本の報道を見れる環境にないので日本在住の方ほど詳しくありません。なので、メリーランドで起きた銃撃事件の方を新聞記事から読み解いていこうと思います。

 

こちらは今日新しくUSA TODAYに掲載された記事です。

 

www.usatoday.com

 

記事のタイトルは「今まで扱った中で最も危険な人物」となっていて、ある弁護士の話が掲載されています。

 

記事を要約すると、犯人である Ramos は、自分に反対する人すべてを敵視していて、彼の精神状態は、まるで戦争中のような状態だったと述べています。

 

弁護士は、犯人が高校時代の同級生だった女性に対してストーカー行為をしている事件で、女性の弁護士として犯人に出会いました。犯人は女性に対して、「自殺しろ」や「躁鬱病で大酒飲みだ」などという文章を彼女の職場に送りつけ、実際彼女は解雇されたりしていました。(ひどい。)

 

何がきっかけで犯人が彼女を敵対視し始めたのかはわかりませんが、とにかく徹底的に彼女を追い詰めていったそうです(電話、SNS、フェイスブックなど)。そして犯人は一旦逮捕され、執行猶予つきの有罪判決を言い渡されます。

その記事を新聞社が、読者に対して個人情報を共有することの危険性を説く事件としてコラムにして掲載しました。その結果犯人は大激怒し、それが新聞社への攻撃が始まるきっかけになりました。そして、彼女を弁護した弁護士に対しても嫌がらせを始め、弁護士の家族、親戚などを含めた人間が犯人のストーキングの対象になりました。

 

犯人が彼女に付きまとい始めたのが2009年、新聞社が記事を掲載したのが2014年、そしてこの事件が起きたのが今年2018年と考えると、9年もの月日が経過しているのがわかります。9年もの間事件が起きなかったと考えると、決して犯人は最初から殺そうとしていたわけではないのではないかと僕は思っています。

犯人は襲撃の直前に「 Fuck you, leave me alone.(糞が、ほっといてくれ)」とツイートし、そして犯行に及びました。ほっといてくれ、という文面からはどこか追い詰められていたような様子が感じられます。

 

一方、日本の事件でも犯人である低脳先生と呼ばれる人物が、長い期間荒らし行為(本人はガス抜きと言っていた)をし、hagexさんがそれをブログで批判したことが、事件のきっかけになったと言われています。犯人の敵対先がある一点に集中してしまったことで、hagexさんはターゲットにされてしまった。こちらも、犯人がガス抜きの場として利用していたネットの場所を奪われる(hagexさんが低脳先生はすぐにブッロクできるとブログで公表)かもしれない、と追い詰められた状況に会ったと報道記事で読みました。

 

二つの事件に共通しているのは、犯人が後戻りできない場所まで来てしまった、そして、それが誰かのせいだと(誤った)認識をしていたということです。(誤ったというのは客観的に見ての話で、犯人は誤っていたとは全く思っていない)

 

この二つの事件はとても現代的で、今の時代を象徴していると思っています。

見知らぬ人を殺す、というのはある意味、非現実的です。無差別殺人は特別だとしても、かつては人を殺すのには理由が何かしらあったと思います。でもこの10年は、知らない人も殺すし(自殺サイト殺人事件など)、殺す理由も理由と呼べないようなものがあったりします。(人を殺してみたかった、など)。

 

僕は30代なので、ちょうど昭和と平成の間にいて、なおかつインターネットの成長と共に年齢を重ねてきました。その世代から今のネット時代を見ると、ミレニアル世代ほどインターネットを盲信していないけれど、昭和世代ほど知識に疎くも遠くもない。そして、今起きている色々な出来事がネットによって良くも悪くも動いていると思っていて、それに対して期待と嫌悪感を持っている。だからこそ、日本とアメリカで起きたネットが原因の二つの事件はとても今の時代を象徴していると思えるのです。

 

hagexさんの事件では低脳先生は寂しかったということを誰かが書いていました。メリーランドの事件の犯人が寂しかったのかはわかりません。ただ、寂しさが人を狂わせることは事実だと思います。

 

この事件から何か教訓を得るとすれば、自分の個人情報を安易にオープンにしないということだと思います。今はyoutuberが時代を席巻していますが、この先良いコンテンツが生まれると共に必ず胸が痛むようなひどい事件が起こると思います。ネットは人をつなぐと同時に、寂しくするからです。

 

ネットで意見を言う際には、自分の玄関先に同じ文章を書いた紙を張れるかどうかで判断しなさいとかつて誰かが言っていました。当時は的を得ているなと思いましたが、今はそうは思いません。言い換えれば、今の時代はたとえ正しいことを言っていても、狂人から見たらそれは悪であって、家がわかってしまえば、狂人はその家ごと燃やすことができてしまうからです。そういう意味で、ネットでの匿名性は絶対に自分自身で保つべきだと個人的には思っています。

 

また、僕個人は、ネットは誰かに情報を与えたり、誰かと情報をシェアする場所であって、現実のガス抜きに使うべきものではないと思います。なぜならガス抜きができる場所に行くと誰かの吐き出したガスが充満しているからです。そんな場所は煙が充満した喫煙所と同じです。そんなのは自殺行為です。 

 

このブログでは、なるべく誰かを批判することなく、良い意味で自分の意見を色々なことにぶつけていきたいと思っています。情報や感動をシェアして、それが誰かのエネルギーになるような、そんな記事を書いていきたい。そう思います。

 

ではまた。