30歳からのニューヨークライフ。

このブログは、30代にしてニューヨークに来てしまったゲイが思ったことを不真面目かつ真面目にお届けしようと試みるブログです。

ニューヨーク、ブロンクスで起きた15歳刺殺事件について思うこと。

こんにちは。

 

先日ニューヨークのゲイパレードに人生初めて参加してきました。

ただそのことは今日書きません。またの機会に書きます。

 

今日書きたいのはブロンクスでつい最近起きた刺殺事件。

事件の概要を簡単に説明すると、ギャンググループが15歳の少年を刃物で刺して殺したが、人違いだったというとても悲しい事件です。

 

www.today.com

 


"Junior" Stabbed To Death In New York Only 15 Years Old

事件の詳細はネットで瞬く間に拡散されました。というのも、事件の起きた店の内外には防犯カメラがあり、また近くのマンションから偶然その様子を撮影していた人もいました。

 

店内防犯カメラに映っていた映像は衝撃的なものでした。

 

まず映っていたのは、首から血を流している少年がレジに助けを求めて入ってくる場面でした。少年はレジの中に隠してほしいとお願いしますが、店員は押し返して、外に追いやります。一旦外に出た少年ですが、もう一度レジの中に入ってきます。それでも店員はまた少年を外に追い出してしまいます。この間少年はまだ生きていて、自分の足で動くこともできていました。

 

少年が逃げ込んだ店は警察に通報することも、救急車を呼ぶこともしなかったそうです。そして少年は外の道で首から血を流して死んでしまいました。その様子も誰かが撮影していました。そして少年が病院に運ばれ、ベッドの上で泣く母親に抱かれているところも撮影され、拡散されていました。

 

ブロンクスと言うのは未だに危険な地域があります。この事件が起きた地区はだいたいこの辺りです。

goo.gl

 

コミュニティも黒人が多く、貧困層も多かったりします。

それが言い訳にはならないと思いますが、他人のいざこざには関わりたくないと思う人がいることも確かだと思います。

 

それでも、今回の事件はあまりに悲しく、黒人コミュニティのイメージが悪くなる理由の一つになっていると思います。まず、ギャンググループが少年を衆人環視の中刺殺するということ。そして、15歳の血を流している少年を誰も助けようと思わなかったこと。周りの大人たちはただ何もせず、見ているだけでした。自分には想像できない状況です。

 

この事件に関してはソーシャルメディアでたくさんの反応があり、少年がなくなった店の前には無数のキャンドルが置かれているようです。

 

www.post-gazette.com

 

ただ、その反応の中で、印象的だったのが、「彼が襲われている時の様子をカメラで撮影していて何もしなかった人、店の店員、客、そこにいて何もしなかった奴らは全員糞だ、そういう奴らがキャンドルを置いていっている」というコメントでした。

 

いまの時代、誰もが発信者になれて、コンテンツの度合いが振り切れているほど、人から注目をしてもらえます。現に、襲撃の様子を撮影回数はものすごい数になっていました。

 

でも。もし自分が殺されているその瞬間、自分を助けてくれもせず、ただ撮影している人がいたらどうだろう。考えるだけでも恐ろしいです。

 

それが今の時代のリアリティだとしたも、とても悲しいと思いました。

 

食べ物をインスタ用にとって、すぐに捨てる。

ペットをインスタ用に飼って、すぐ捨てる。

危険なことをして、誤って命を落とす。

 

ソーシャルメディアは誰かを救うこともできるし、誰かを見殺しにすることもできる。どう使うかが自分たちに問われているのだと思います。

 

みんな誰かに自分が発信するコンテンツが価値があると認められたい。なぜならそれが自分に価値があるということの証明だから。

 

でも、本当にそれが自分の価値なのだろうか。誰かに認められることが価値になることほど、怖いものはないと思います。

 

そう言いいつつ、こうしてブログを書いているのも誰かに自分の考えを知ってほしいからなのだと思います。