30歳からのニューヨークライフ。

このブログは、30代にしてニューヨークに来てしまったゲイが思ったことを不真面目かつ真面目にお届けしようと試みるブログです。

シンシアニクソンを完全に見くびっていた。

数日前にニューヨーク知事選に立候補している現職のクオモ知事と、民主党の公式な候補にはなれなかったが出馬を表明しているシンシアニクソンの討論会が開かれた。討論会の様子はテレビでも放送され、すぐにネットにも丸々上がっているので、興味がある人は見て欲しい。

 

youtu.be

 

正直に言うが、僕はSATCの中でミランダが一番好きで共感してしまう。ゲイのバイブル的なSATCは、もちろんツタヤで色褪せたパッケージのDVDを借りて観た。最初は重要な役でもなかったしサブ的な感じだったのに、どんどんとキャラが立っていき(それに比例して最初にイケテナイ彼氏は消えていった)、仕事はバリバリできるのにどこか変で人間的にうまく立ち回れないキャラクターをとても自然に生き生きと演じていた。

 

ミランダは、サマンサほど淫乱でとっちらかっているではなく、シャーロットほど夢見る堅物女じゃない。かといって、キャリーのように男に依存するわけでもなく、要は、自分の力で人生の荒波を漕いで行く、まさにニューヨーカーの中のニューヨーカーだと思っていた。みんなが追う幸せではなく、自分が思う幸せをとことん追求する生き方はとてもかっこいいと思っていた。(好きなシーンはブルックリンブリッジでの仲直りのシーンと、偶然見つけた空き地で結婚式することろ。)

 

そんな彼女がレズビアンだと公表したことに当時は驚いたのと同時に、どこか勇気づけられるような気もした。そしてあれよあれよと政治家に転身し、ニューヨークの知事選に出た。

 

じぶんはアメリカの市民権がないので、そこまでアメリカの政治に興味はない。なので、正直彼女が勝つかどうかということは気になっていなかった。

 

だが、数日前に討論会で現職知事のクオモ市とディベートしている姿を見て、ガラリと印象が変わった。5月の民主党公認選挙の際は、クオモ市の圧勝だったと聞いていたので、クオモ氏にとっては強敵ではないと思っていた僕は、シンシアニクソンを完全に見くびっていた。

 

内容については、こちら見ると大体概要が載っているので見て欲しい。

www.mashupreporter.com

 

生で中継を見ていた印象としては、シンシアニクソンの圧勝という感じだった。クオモ氏は口を開くと、トランプが全ての原因だとばかり言っていた。また、シンシアニクソンが地下鉄の問題を指摘しても、わけのわからないネットのゴシップのような回答で「彼女はフィクションの世界にいる」などと言ってお茶を濁していた。

 

対して、シンシアニクソンは周到に用意された感じのする内容で随時クオモ氏を攻めていた。この放送には2人の司会がいて、候補者の2人に嫌な質問をするのだが、シンシアニクソンはそれにもきっちりと答えていた。そして、クオモ氏がいろいろな理由をつけて今の政権で起きている不都合を言い訳すると、ここぞとばかりに襲いかかっていた。

 

9月には民主党の候補者を決める選挙があるが、これはかなり面白くなってきたと思う。シンシアニクソンはその選挙で勝って初めて共和党の候補と戦えることになる。クオモ氏の政治的腐敗感はかなり臭っていて、民主党の候補として圧勝したのも、企業への忖度ができるからこその勝利だったと思う。ただ、「水清ければ魚棲まず」という言葉もある。個人的にはシンシアニクソンに勝って欲しいが、資金を提供するスポンサー企業は税金を安くしてくれるクオモ氏を応援するだろうと思う。

 

この先どこまで彼女が食い込んでいけるか、それが今回の知事選の見どころなのではないかと思う。

 

 

何この真面目なブログ。引くわ。