30歳からのニューヨークライフ。

このブログは、30代にしてニューヨークに来てしまったゲイが思ったことを不真面目かつ真面目にお届けしようと試みるブログです。

ニューヨークでは毎日が戦い。

こんにちは。

 

日本では北朝鮮のこと、日大事件などニュースになっているようですが、

新幹線の殺傷事件を知った時、ふと思ったことがあったので書いておこうと思います。

 

話は少し飛びます。

 

ニューヨークでは、毎日誰かが街中で怒っています。

怒鳴ったり、叫んだり。それが本当に日常茶飯事です。

なので、じぶんの身近でもそういうことがよく起こります。

 

前に歩道を歩いていたら、後ろから来た黒人(こちらではアフリカンアメリカンと呼びます。映画の真似してニガーなんて言ったら冗談抜きで殺されますから注意)に、

 

「ここはお前だけの道じゃないんだからもっと後ろに注意はらえよ(メーン!)」

 

と不躾に言われたことがあります。

 

日本だとまずありえないシチュエーションですよね。心の中では思っていたとしても、日本人なら前方に人がいたら避けて通るか、とりあえず我慢すると思います。

 

後ろからそう英語で言われたことに気がついていましたが、その当時じぶんの英語はまだまだだったので、僕は無視しました。正確に言うと、英語がわからないアジア人の振りをしました。

 

ちなみに、ニューヨーク(アメリカ全般に言えることだと思いますが)では、誰かに声をかけられたら、必ず返事をするというのが最低限のマナーです。なので、無視はある意味ご法度。

 

もし自分の英語がもう少し上手だったら、自分はこう言い返していたと思います。

 

「その通りだけど、この道はあなただけの道でもないじゃん。それに俺の前にはベビーカーを押してる夫婦がいるわけ。それが見えないの?」

 

日本でこれ言ったら喧嘩ですよね。笑

 

でもニューヨークだと、自分の思っていることを言わない奴が悪い。日本人的な「察する・推し量る」という能力はアメリカ人、というか海外の人間は低いです。だから僕が意見を言わなかったら、それを認めたこと(黒人の通る道を邪魔している奴)になります。また、アメリカ人はじぶんの言ったことことに当然返事がくるものだと思っているので、ただ笑顔を返すとか、目線を合わせない、何も言わないというのはかなり不気味に移ります。(ちなみに僕は時々これまだやってしまいます。笑)

 

要するに、日本人からするとつまらない小競り合い、意見の言い合いが街のいたるところ(特に地下鉄、ドライバーなど)で毎日起きているんです。

 

その時の自分の行動は「無視する」という選択でしたが、結果的には正しかったと思います。無駄な衝突は極力避けるべきで、その方法の一つが無視だとしたら積極的にそれを採用すべきだと思うからです。

また、アメリカでは挨拶は重要だと言いましたが、ニューヨークでは無視する人される人をよく見ます。特に、道で急に話しかけてくる人などは8割方無視されます。なので僕のとった無視という方法も自分を守るための手段の一つだったわけです。

 

日本人は無駄に外国人にフレンドリーになろうとしますが、それはある意味ニューヨークでは不気味です。(西海岸ならいいのかな?)人との接し方にはルールはありません。相手を見るしかないんです。

 

またニューヨーカーは態度が悪い、とよく言われていて、そういう経験をするかもしれません。でもそれはアジア人だからとか、差別的なものではなく、とにかく人がルーズでやる気がなく、無礼だからだけです。

なので、もしニューヨークでそうした対応されたら、それはあなただけじゃないということを覚えておいてください。ニューヨーカーでさえ、そう感じています。笑

わかりやすく誇張すると、東海岸が関東、西海岸が関西という感じですかね。笑

 

 

さて、話は新幹線の事件に戻ります。

あまり詳しく事件の詳細は追っていませんが、ある記事で、

加害者は定時制を出て、職業訓練校に行って、就職をしたけれど、人間関係がうまくいかなくて自殺願望を持つようになったと書かれていました。

 

まだ22歳。

 

22歳の若さがあったらなんでもできる、って本当に心からそう思います。

日本では一度失敗したら、もう終わりかのような、ある種の「呪い」が社会全体にかかっていると思います。その前提には「みんなと同じでなければダメ」という考えが根深く文化に浸透しているせいだとも思います。

 

確かに、みんなと違うことは不安かもしれない。

自分が30歳を超えてニューヨークで暮らすことを話した時、そんなのうまくいくはずがない、将来どうするの、帰国して就職できないよ、と言ってきた人がいました。

それは心配する心から来たものかもしれませんが、自分にとってはある種の「呪い」でした。

 

ゲイで、30歳を超えてニューヨークで暮らす。英語や新しいことを学ぶ。

 

これをやっている自分と同じ属性の人にまだ出会ったことがありません。それは自分がユニークだということ、自分に価値があるということです。

 

語弊を恐れずに言いますが、

自分を殺せる勇気があるなら、死ぬ前に自分のやりたいことをやってほしい。自分のやりたいことがわからないなら、日本をとりあえず出てみてほしい。

どこでもいい、借金してもいいから、死ぬ前に他の国に少しの期間住んでみてほしい。

 

その中で自分がいかに当たり前の幸せを日々日本の中で享受していたか気がつくはずです。

 

食べ物が安全で美味しく、生の魚、肉、卵が食べられて、街は安全、交通機関は清潔、時間通り、国民全員が保険に入っていて、安全な医療を誰でも安く受けられる。高度な学術書や研究論文、辞書が日本語で読める。トイレが清潔。電気が切れない。日本語が通じる。

 

当たり前すぎて、気がつかないことがたくさんあります。

そして、自分の知らない場所に行くと、自分の知らない価値観や人に出会えます。

その中に自分のやりたいこと、心が動くものがあるかもしれない。

 

自分の人生は一回きり。

だから、その人生を人を殺したり、自分を殺したりすることで使わないでほしい。そう、この事件のニュースを見て思いました。

 

 

走り書きのようになってしまって、少し雑多ですが読んでくださった方、

ありがとうございます。最後に先日のトニー賞でのロバートデニーロのスピーチを貼っておきます。アメリカ人ははっきりものを言う、見本です。

 

N: Ladies and gentlemen, Robert De Niro.(皆様、ロバートデニーロの登場です)

R: I am going to say one thing, F**K Trump.(一つ言いたいことがある。トランプ糞食らえ)

R: It's no longer down with Trump, it's F**K Trump. (もう彼には賛成できない、トランプは糞だ)

R:Now I'll get to this introduction...(ではまずはじめに...)

 


Robert De Niro uses profanity to denounce Trump at Tony Awards